関東に移り住んで半年がたとうとしている。
でも街中には一向に慣れることが出来ない。
街中は音で溢れていて、
聞きたくない音の洪水が波になって襲ってくる。
人や車や大型ビジョンが自分のことしか考えず、
自分が出したい音を自分の出したい音量で、
誰が聞いていようがおかまいなしに出し、
それが意味もなく混ざり合う。
空気はいつも濁っていて、
人や車の吐き出した空気をそのまま吸っているよう。
いくら深呼吸しても酸素が足りない。
高いビルと看板、人ばかりで、遠くなんて見渡せず、
どこを目指していいのかわからない。
そんなこんなで帰りの電車はいつも貧血になる自分が情けない。
それでも自分の住む、北も南も坂に囲まれた駅につくと、
「うちに帰ってきた」とほっとするようになった。
帰ってきたら可愛い小鳥が迎えてくれて、
肩にとまってキスしてくれる。
外でついた心のとげもそのくちばしで抜いてくれる。
小さな心臓と美しい羽根をもった素敵な家族。
aoi